【苔の採取は違法?】苔をとってくる前に知っておくべきこと

苔[コケ]

苔の中には道ばたの何気ない場所でも、美しく元気に育っているものがあります。

苔が好きで自宅で栽培している人なら、一度は「持って帰って育てたい!」「苔テラリウムにしたい!」と思ったことがあるかもしれません。

しかし、これらの苔を許可なく勝手にとっていく行為は違法行為になる可能性があります。誰かが意図的に育てたわけでもない苔ですが、犯罪として罪に問われる可能性もあるため、採取には注意が必要です。

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無許可の苔の採取はダメ!

苔の採取は違法行為になる?

苔を採取できるのは、「自分が所有している土地」もしくは「土地の所有者から許可を得た場所」です。そのため、全く採取が出来ないというわけではありません。

しかし、それ以外の場所での採取は厳密には違法行為となります。なぜなら土地は必ず、人や団体、国などの所有物だからです。

例えば、「誰かの土地ではない、山や道端、土手、公園などでの採取はOK」という考え方をする人もいますが、それは間違いです。国が所有している土地も忘れてはいけないのです。

苔以外を拾うのも違法行為になる?

苔以外の石や流木、砂、山野草、つくし、キノコ、雑草でさえも、厳密には許可がなければ違法行為に当たる可能性があります。

山などで何かを拾ってくるのを趣味にしているという話はよく聞きますが、拾っても良い場所かどうかを確認して採取している人は、実際は少ないのかもしれません。

違法行為でも罪には問われない?

先程から「厳密には違法」という言葉を使用していますが、実際は犯罪として罪に問われることは少ないようです。(無いわけではありません。)

犯罪かどうかの判断は、採取した量や悪質性など、様々な条件によって異なりますが、あくまでも「どこまでが合法なのか」ではなく「どこまでが黙認されているのか」ということですので、違法行為であることに変わりはありません。

罪に問われる場合は、窃盗罪や森林窃盗罪に当たる可能性がありますので、違法行為は止めましょう。

MAKO

許可のない採取は小さな違法行為だからといって、おこなって良い行為ではありません。当たり前のことですが、採取が許されている場所でのみ採取を行うようにしましょう。

苔採取の許可があっても注意すべきこと

苔にも絶滅危惧種がある

苔の種類によっては、レッドリスト(絶滅が懸念されている生物のリスト)に載っている種類や、絶滅寸前種とされている種類もたくさんあります。(近年、絶滅したとされる苔もあります。)

どの苔が絶滅危惧種なのか判別できれば良いですが、苔の種類は世界で約2万種、日本だけでも約1800種が確認されているため、見た目だけで苔の種類を判別することは難しいです。

そのため、たとえ「採取が許可された場所」であっても、「採取が許可されていない種類」を、知らず知らずのうちに持ち帰っている可能性もあるかもしれません。

周りの人も苔の判別は難しいため、罪に問われる可能性は低いかもしれませんが、そのようなリスクがあることも覚えておくと良いでしょう。拾った苔をフリマアプリなどで販売している場合は、その際に発覚するかもしれません。

苔の大量採取は良くない

これは法律の観点からではなく、自然に対する観点からの話ですが、許可があるからといって大量に苔を採取するのは良いことではありません。

長い年月、時間をかけて生長してきた苔は、その場所での環境を形成する自然の植物であることに変わりはなく、小さな生き物の住処だったりもします。

採取ができる場所であっても、モラルを欠くような採取の仕方は控えるようにしましょう。

MAKO

苔のある景色は、自然や歴史を感じさせてくれる貴重なものですので、大切にしていきたいですね!

苔の採取はデメリットも多い

許可された場所で、常識の範囲内で苔を採取し、問題なく採取できた苔でも、その後で手間がかかることもあります。

例えば苔と一緒に、虫やゴミ、ヘドロのようなものが一緒についてくる場合があります。苔テラリウムなどの密閉した容器内に入れる場合は、特に清潔さが重要になってきますので、これらを先に落とす必要があります。

また、苔にとっては自生していた今までの場所と大きく異なる環境の変化になるため、新しい環境に順応できずに枯れてしまうこともあるようです。

苔の種類や特性を理解していれば、そのリスクを抑えることも可能ですが、先述の通り、採取した苔の種類は見た目だけでの判別が難しいですので、間違った環境で育成をしてしまう可能性もあります。

苔を採取する場合は、これらのデメリットも十分に理解した上で行うようにしましょう。

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苔はネットで購入できる時代です。苔テラリウムに使用する場合は、苔の種類が正確で、清潔な環境で育てられたものを買って使ったほうが、あとあと管理がラクになるかもしれません。

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まとめ

苔は、人によってはその辺に生えている雑草のようなイメージを持っていたり、カビのように汚いものというイメージを持っている人までいます。

そのため、苔は貴重な存在ではなく、除草や掃除をするような感覚で、許可なく持っていけるものという認識の人もいるようです。

しかし、自分の所有する土地以外で許可なく苔を採取することは違法行為であり、罪に問われる可能性もありますので、採取を考えている方は十分に注意しておきましょう。

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