【モンステラの増やし方】水挿し、挿し木(茎挿し)、茎伏せのやり方

観葉植物

成長の早いモンステラを育てていると、樹形を整える際に茎を切り落とす機会があるかもしれません。そんなとき、茎を捨ててしまうのはもったいないです。

モンステラは一つの節[ふし](葉柄が生えていた茎の横線の入った部分)からでも増やすことができますので、是非チャレンジしてみてください。

モンステラの増やし方は、株分けというよりは、水挿し[みずさし]挿し木[さしき](茎挿し[くきさし])茎伏せ[くきふせ]が一般的であるため、これら3つのやり方についてお伝えします。

MAKO

モンステラを増やして複数株で植えると、葉の枚数的にボリュームがでるというメリットがあります。その他にも、増やしたモンステラを様々な樹形に仕立てるという楽しみ方もできますね!

スポンサーリンク

モンステラを増やす時期

モンステラを増やす時期は、暖かくなってきた4月から7月くらいが最適です。

5月~9月くらいの生育期は発根しやすいですが、冬は成長が遅くなり、調子が悪くなる場合が多いため、寒くなる前に根を大きく丈夫に育てておくのが望ましいです。

その他の時期でも発根は可能ですが、寒すぎると発根率も落ちるため、できるだけ暖かい場所で管理するようにしましょう。

モンステラの挿し穂

モンステラの挿し穂

挿し穂[さしほ](水挿しや挿し木に使う枝や茎)を親株から切り離す際は、切れ味の良い清潔なハサミでスパッと勢いよく切ります。このとき、切り口以外の場所を傷つけないように注意し、切り口に菌を付着させないことが重要です。

挿し穂の長さは、節が2~3つ程度になるようにして、節と節の中間あたりで切るのが良いでしょう。挿し穂に気根[きこん]が生えている場合は切らずに残し、そのままの状態で水につけるようにします。

切り離したばかりの挿し穂は、葉の枚数が多すぎると、吸収できる水の量よりも、葉から蒸散する水の量のほうが多くなってしまい、枯れてしまうことがあります。

そのため、葉が多い場合は葉柄の根元付近から切り落とすようにしてください。新しい葉1枚くらいなら残しても良いですが、葉はすべて落としてしまっても問題ありませんので、できるだけ少ないほうが良いでしょう。

MAKO

挿し穂は親株の上の方の細い茎よりも、気根の付いた下の方の茎(古すぎないもの)のほうが成功しやすいようです。

モンステラは葉挿し・葉柄挿しが出来ない

モンステラの葉挿しと葉柄挿し

モンステラは、どの増やし方をするにしても、節の付いた茎が必ず必要になります。葉(葉柄)のみを土や水に挿しても、新しい芽は出てきませんので注意してください。

葉柄の切り口付近から発根することはよくありますが、茎にある成長点(芽が出たり茎が伸びたりする部分)が葉や葉柄には存在しないため、発根したとしても新しい芽が出てきたり葉柄が増えたりすることはありません。いつまでたっても、一つの葉(葉柄)と根だけの状態となり、葉の寿命がきたら枯れてしまいます。

多肉植物のように、葉から芽が出てくる観葉植物(ペペロミアなど)が無いわけではありませんが、そのような種類はあまり多くありません。モンステラを含む多くの観葉植物は、葉や葉柄だけでは芽が出ませんので注意しましょう。

MAKO

フリマアプリなどで、茎が付いていないモンステラ(葉+葉柄+根)を売っている方をたまに見かけます。それ自体は悪いことではなく、短い期間(葉の寿命まで)楽しむものとして売られているのであれば全く問題ありません。しかし、そのような説明をちゃんとしている方ばかりではありませんので、購入する際は十分に注意してください。

モンステラの水挿し

モンステラの水挿しは、剪定で切り離したモンステラの茎を挿し穂とし、水に入れて発根させる方法です。とても手軽にできるため、初めての方にもおすすめの方法です。

モンステラの水挿しのやり方とコツ

モンステラの水挿し

挿し穂の用意ができたら、あとは水を入れた容器を用意し、その中に挿し穂を入れるだけです。モンステラの根は節の近くから出ることが多いため、少なくとも1つの節が水の中に沈むようにしましょう。

また、気根が出ている場合は気根もできるだけ水につけておきましょう。水や養分を吸うための根毛[こんもう]の生えた新しい白い根が気根から出てきます。(気根からの発根が一番成功しやすいと思います。)

水は天然水よりも菌が繁殖しにくい水道水が良いです。また、夏の暖かい時期は水の温度が上がりやすく腐りやすいため、毎日水を換えるようにしましょう。『メネデール』などの植物活力素を水に混ぜておくと発根率がアップします。

管理する場所は、柔らかい光が当たるような場所が最適です。強い光が当たる場所では挿し穂に負担がかかってしまうため、避けるようにしてください。

根は約1ヶ月程度で出てくるため、発根が確認できたらすぐに土に植えます。長い期間、水に浸けたままにしておくと、あまり成長に適さない水栽培用の根になってしまうため、生育期であれば特に早く土に植えたほうが良いです。

しかし、出てきて間もない根は非常に脆いため、少し力を加えただけでも取れてしまいます。根を傷つけないように慎重に扱い、あらかじめ穴をあけた土に優しく植えるようにしてください。

土に植えたらすぐに水を与えます。1~2週間くらいの間は、土が乾く前に水を与えるようにし、少しずつ頻度を少なくして乾燥に慣れさせていくようにしましょう。

MAKO

発根後、新しく出てきた葉には切れ込みが入っていない場合が多いです。モンステラは、苗が未熟なうちは葉に切れ込みが入りませんが、成長していくうちに切れ込みの入った葉が新しく出てくるようになりますので、安心して育ててください。

モンステラの挿し木(茎挿し)

挿し木(茎挿し)とは、挿し穂を土に挿して発根させる方法です。ただ、水挿しのほうが手軽にできるため、あまりおすすめはしません。

挿し木は根が見えないため成功・失敗の判断がつきにくく、成功・失敗に関わらず清潔な土が最初から必要であり、発根率にも大きな差が出るわけではないため、あえて挿し木にする必要はないと思います。

挿し木のやり方とコツ

モンステラの挿し木(茎挿し)

水挿しとの一番の違いは、水ではなく土に挿し穂を挿す点です。それ以外は特に違いはなく、挿し穂のつくり方は水挿しと同じですが、土に挿す側の切り口には『ルートン』などの発根促進剤を使用すると、さらに発根率がアップします。

土は、無菌の土(細粒の赤玉土やバーミキュライト)か、『挿し木・種まきの土』を用意します。無ければ普段モンステラを育てている土でも可能ですが、新しくて清潔なもの、かつ、目の細かいもののほうが発根はしやすいです。

用土の準備ができたら挿し穂を挿します。水挿しと同様に、最低でも1つの節が用土の中に埋まるように挿すと良いでしょう。気根が出ている場合はできるだけ土の中に入れ、挿し穂が倒れるようであれば、支柱に結びつけて立たせるようにしてください。

挿し穂を土に挿すことができたら、たっぷりと水を与えてください。その後の管理は土が乾く前に水を与えるようにし、根がしっかりと出てくるまでの1ヶ月程度は、土を乾燥させないように注意しましょう。

ただし、常に湿った状態、かつ、無菌ではない土にはカビが発生しやすくなります。そのような場合は、できるだけ風通しの良い場所に置き、カビの発生を防ぐようにしましょう。

また、根が生えてきた頃には植替えをするか、土を育苗用に改良する必要があります。挿し木用の土は保水性が高すぎるため水はけが悪く、成長に必要な肥料が入っていない場合もあるため、一般的な培養土(観葉植物用の土など)に植え替えるか、挿し木に使用した土の排水性を高めて追肥を行う必要があります。

土の中で発根しているかどうかの判断は難しいですが、挿し穂を軽く引っ張って抵抗があるようであれば根が生えていますので、根を傷つけないように土をほぐしながら苗を取り出し、優しく植え替えるようにしてください。

モンステラの茎伏せ

茎伏せとは、切った茎を土に伏せて発芽させる方法のことです。やり方は挿し木に似ていますが少し異なります。

モンステラの茎伏せ用の茎

モンステラの茎伏せ用の茎

モンステラの茎伏せに使う茎は、節が一つだけの短いものでも可能です。より多くの苗をつくりたい場合に重宝するやり方ですが、節のスレスレで切ると芽や根が出にくくなるため、ある程度の余白を残して切るのが良いでしょう。

切り出した茎伏せ用の茎に葉柄が付いている場合は、葉柄の根元付近で切り落としてください。気根が出ている場合はそのままの状態で残します。

気根や葉柄が付いていなくても茎挿しは可能ですが、水挿しや挿し木のときと同様に、気根があると気根から根が出やすいため、成功率はぐっと高くなります。

モンステラの茎伏せのやり方

モンステラの茎伏せ

挿し木と同様に、無菌の土または『挿し木・種まきの土』を用意し、その上に茎伏せ用の茎を横たえるようにして置きます。

置き方は、葉柄の生えていたほうが上向き、気根が生えているほうが下向き(地中)になるように置きます。※モンステラは葉柄の生えている裏側から気根が伸びることが多いので、このような形になります。葉柄も気根も付いていない場合の向きは、特に気にする必要はありません。

茎を置いたら少し土をかぶせ、横たえた茎の下半分が埋まる程度にします。最後に水を与えたら完了です。

その後の管理は挿し木と同様で、土が乾く前に水を与え、なるべく柔らかい光のあたる風通しが良い場所で管理し、1ヶ月ほどで発根したら、通常の培養土に植替えを行ってください。

まとめ

3種類のモンステラの増やし方を詳しくお伝えしましたが、基本的には水挿しだけでも十分だと思います。特に、気根のある挿し穂はかなり成功しやすく、新しい根が出てくるのも比較的に早いです。

苗を増やし過ぎたらフリマアプリで販売することもできますので、剪定の切れ端を捨てるくらいなら、とりあえず水につけておくのが良いかもしれません。

水挿しなら、毎日水を換えるだけで簡単に増やすことができますので、ぜひ挑戦してみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました