【モンステラの品種】一般的な種類や切れ込みの入らない珍しい種類

観葉植物

モンステラは、切れ込みや穴のあいた大きな葉が印象的な植物ですが、他の観葉植物と同様に複数の品種が存在します。

その中には、切れ込み・穴の無い品種、葉の模様が特徴的な品種、独特な形状で生長する品種など様々です。

園芸店でもあまり見かけないような珍しい品種もありますが、入手が可能なモンステラを中心にお伝えします。

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代表的なモンステラ

園芸店などでよく売られているモンステラは、デリシオーサアダンソニーが一般的です。

モンステラ・デリシオーサ

デリシオーサは、モンステラの中でも代表的な品種で、多くの人が「モンステラ」と聞いてイメージするのはこの品種ではないでしょうか。葉や草体が非常に大きくなるため、モンステラ界の王様とも呼ばれています。

観葉植物としては、その大きさとユニークな葉の形で、部屋の雰囲気をガラッと変えるほどの存在感があり、部屋のシンボルツリーにもピッタリです。

また、生育の環境次第では、葉だけでなく花や実も期待できます。デリシオーサは果実がバナナやパイナップルの味に似て美味しいため、「delicious(デリシャス)」を意味する「deliciosa(デリシオーサ)」が名前になったそうです。

日本でも温かい地域に植えられたモンステラは花や実をつけることがあるため、結実にチャレンジしてみるのも一つの楽しみ方と言えそうです。

モンステラ・アダンソニー(ボルシギアナ)

園芸店やホームセンターなどで、「モンステラ」とだけ書かれて売られている品種は、アダンソニーであることが多いようですが、デリシオーサの可能性もあります。

アダンソニーの場合は、葉に左右対称の切れ込みが入り、デリシオーサよりも草体や葉が小さいという特徴があるものの、デリシオーサの形質[けいしつ](特徴や性質)と非常に似ており、プロでも見分けるのが困難なため、品種名が書かれていないものを断定するのは難しいでしょう。

アダンソニーは、大きさではデリシオーサに劣りますが、観葉植物の中では大型の植物であることに変わりはなく、価格は手頃な場合もあるため、品種にこだわらない方にはおすすめの品種といえます。

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アダンソニーは「ヒメモンステラ」と呼ばれることもあるようですが、園芸店などで「ヒメモンステラ」というと、後述する別種の「ラフィドフォラ・テトラスペルマ」を指す場合がほとんどなので注意してください。

斑入りのモンステラ(バリエガータ)

他の観葉植物と同様に、モンステラにも斑[ふ](本来の色と異なる部分)の入った品種があります。以前は非常に高価だったようですが、現在は流通量が比較的に増しており、一般的に手の届く価格となっています。

ただし、斑入りには複数の種類があります。斑の入り方や、もとになったモンステラの種類によって、その名称や価値は異なるようですので注意してください。

モンステラ・アダンソニー・バリエガータ

モンステラ・アダンソニーに斑が入ったものです。葉に白斑[しろふ]または黃斑[きふ]が散りばめられているのが特徴です。白斑が大きく入る「ホワイトタイガー」という品種もあります。

その中でも、稀に葉の半分が白、もう一方が緑と、左右で綺麗に分かれているものがあり、そのような葉は「ハーフムーン」と呼ばれます。

ハーフムーンはとても珍しい斑の入り方ですが、ある程度、安定してハーフムーンの葉が出るような株もあるようです。

ただ、完全に安定させるのは難しいようで、いつまでもハーフムーンの葉が出続けるという保証はありません。斑が全く入らなかったり、全斑(全面が斑入り)になったりすることもあるため、その場合はハーフムーンの葉が出ている茎まで切り戻すと、再度出てくる可能性が上がるようです。

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ちなみに、斑は葉に入るというイメージが強いですが、モンステラは茎や葉柄にも同じような斑が入る場合が多いです。特にハーフムーンの場合は、茎や葉柄も左右が白と緑で別れている場合が多いため、ある程度は葉の模様を予測することができるようです。

モンステラ・デリシオーサ・バリエガータ

モンステラ・デリシオーサに斑が入ったものです。白斑が入るものは「ホワイトモンスター」黄斑が入るものは「イエローモンスター」とも呼ばれます。

ただ、イエローモンスターの場合でも、葉が若いときの斑は白色で、徐々に黄色に変わるようなものも多いので、場合によっては白斑と黃斑が混在して見えることもあります。

その他のモンステラの品種

その他のモンステラの品種は、園芸店などではあまり見かけないものが多いですが、ネット通販では販売している場合もありますので探してみてください。

モンステラ・デリシオーサ・コンパクタ

デリシオーサを小さく改良した品種が、デリシオーサ・コンパクタです。

通常、デリシオーサの切れ込みのある葉は、ある程度生長していないと出てきませんが、コンパクタの場合は比較的小さい苗の段階でも切れ込みや穴があきます。

葉の形も、ヒメモンステラのように輪郭をえぐるようなものではなく、デリシオーサの葉の形をそのまま小さくしたような、モンステラらしい葉を楽しむことが可能です。

「モンステラは好きだけど置くスペースが無い」という場合でも、その名の通りコンパクトに楽しむことができるため、管理のしやすさも非常に優れています。

しかし、デリシオーサ・コンパクタはあまり流通しておらず、価格も通常のデリシオーサの3~4倍くらいする場合が多いため、入手のハードルが高い品種といえます。

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とても魅力的で人気の品種ですが、貴重な品種なのでネットでもあまり販売されていません。価格は草体が40cmくらいで6千円~7千円くらいのようです。

マドカズラ(モンステラ・フリードリヒスターリー)

マドカズラは葉に切れ込みは入りませんが、葉に窓のような穴があくのが特徴です。ツル性の強い植物なのでハンギング鉢に植えたり、背の高いヘゴ仕立てで楽しむこともできます。

一般的なモンステラに比べて、葉の大きさは20cmほどと小さめですが、葉の枚数が多いのでボリューム感は見劣りしません。

小さく株分けして植えると、棚の上などのちょっとしたスペースにも置くことができるため、手軽に楽しめるモンステラとしても人気があります。

ハネカズラ(モンステラ・スタンデリアーナ)

ハネカズラは葉に切れ込みも穴もありませんが、モンステラ属に属するツル性の植物です。

以前はフィロデンドロン・グッティフェルムという名称でフィロデンドロン属に分類されていましたが、現在はモンステラ属のモンステラ・スタンデリアーナという名称に変更されています。

(ただし、現在出回っているものの多くは斑入り品種であるため、そのような品種はモンステラ・スタンデリアーナ・バリエガータと呼ばれます。)

葉の形状は細身の卵型をしており、一般的なモンステラよりもスラッとした印象がありますが、背丈が低く葉の枚数も多いため、生長するとボリュームのある草体に仕上がります。

モンステラ・ジェイドシャトルコック

ジェイドシャトルコックは、葉の凹凸とツヤが印象的なモンステラです。葉脈の深い緑と鮮やかな緑の濃淡が映えるため、切れ込みや穴が無くても美しい葉をしています。

また、葉の枚数は比較的多いため、株全体に重厚でどっしりとした雰囲気がでますが、ツル性が強いのでハンギングプランツとしても楽しむことができます。

市場ではモンステラの珍しい品種の一つとして販売されていることも多いですが、最近は少しずつ出回ってきているようです。

モンステラ・デュビア(クライムリーフ)

デュビアも基本的には葉に切れ込みや穴はありませんが、シルバーの模様を持つモンステラです。模様の部分はラメのようにキラキラと光が反射するため、とても美しい見た目をしています。

しかし、デュビアの最大の特徴は草体の形状にあります。近くの木や壁などに、葉や茎をぺったりとくっつけながら上へ上へと生長するため、クライムリーフとも呼ばれています。

とても珍しい植物ですので、園芸店などではあまり販売されていませんが、パルダリウムを扱う店舗やネット販売などでは見かけることがあります。

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実はデュビアは大きくなると葉に切れ込みや穴があきますが、日本でそこまで育つのか否かは分かりません。ただ、切れ込みがあると模様がほとんど見えなくなるため、あまり良いものでは無いようです。

モンステラに似ている品種

モンステラと間違われることもある、モンステラ属ではない植物をご紹介します。

ラフィドフォラ・テトラスペルマ(ヒメモンステラ)

テトラスペルマは、以前は「モンステラ・ミニマ(ヒメモンステラ)」という名称で、モンステラ属として扱われてきた品種ですが、2010年くらいに分類が変更され、今ではラフィドフォラ属の「テトラスペルマ」という名称になっています。

しかし、市場では未だに「ヒメモンステラ」という名前で流通しているため、購入の際はモンステラ・アダンソニーと混同しないように注意しましょう。

※現在、「ヒメモンステラ」というと、「モンステラ・アダンソニー」を指す場合と、「ラフィドフォラ・テトラスペルマ」を指す場合の2通りがありますが、市場でよく見かけるのは、ほぼ「ラフィドフォラ・テトラスペルマ」のほうです。

テトラスペルマの草丈は30~50cm程とかなり小さく、切れ込みは小さい葉にも輪郭からえぐるように大きく入り、完全な左右非対称になるのが特徴です。

苗が小さいうちから葉の切れ込みを楽しむことができるため、名前が変わった今でも人気があります。ハンギングプランツにしたり、デスクの上などにも置きやすいため、需要に合わせて選ばれているようです。

マングーカズラ(エピプレムヌム・ミラビレ)

マングーカズラは、モンステラに非常によく似ている植物ですが、エピプレムヌム(ハブカズラ)属というポトスと同じ分類になります。

葉に切れ込みが入り、モンステラと同じように別の木に着生しながら生長するというツル性の特徴がありますが、葉の形は縦長の楕円形に近いため、モンステラのハート型とは異なります。

園芸店などではヘゴ支柱を使った仕立て方で販売されていることが多く、大型の状態でよく出回っています。耐陰性があるため、窓際以外の場所でも管理しやすい観葉植物の一つです。

フィロデンドロン・セローム(ヒトデカズラ)

セロームは、葉に切れ込みのあるフィロデンドロン属の植物です。葉の形がヒトデに似ていることから、和名ではヒトデカズラと呼ばれています。

セロームは大きくなるとモンステラに似てきますが、葉の縁がフリル状に波打っていたり、切れ込みの角が丸くなっていたりするので識別は容易です。

頑健な植物で成長も早いため、性質もモンステラに少し似ていますが、セロームは耐寒性があるため、暖かい地域なら地植えでの越冬も可能です。

まとめ

モンステラの葉には切れ込みや穴があくというイメージが強いですが、切れ込みや穴が無い品種も複数あります。逆に、切れ込みがあるのにモンステラ属ではない植物もありますので、購入の際には注意しましょう。

また、モンステラ属に属している植物でも、研究が進んで別の属に変更されたり、逆に、別の属からモンステラ属になる場合もありますので、ご紹介した品種はあくまでも現在の分類ということになります。

モンステラは葉の形状だけでなく、模様や色を楽しむ品種も多いですので、好みの品種を探してみたり、モンステラ属をコレクションとして集めてみるのも面白いかもしれません。

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