【観葉植物図鑑】モンステラの特徴(性質・植え方・注意点など)

観葉植物
分類サトイモ科モンステラ属 (ホウライショウ属)
別名蓬莱蕉[ほうらいしょう]・電信欄[でんしんらん]
原産地熱帯アメリカ
育成の難しさ容易 (★☆☆☆☆)
耐陰性結構ある (★★★★☆)
乾燥やや強い (★★★★☆)
寒さやや強い (5℃以上)
暑さ強い
生育期5月~9月
市販の大きさ30cm ~ 200cm 程度
価格1000円程度 ~
増やし方水挿し・挿し木(茎挿し)・茎伏せ

モンステラの特徴

モンステラ(Monstera)は、葉っぱに大きな切れ込みが入る品種が一般的です。その姿は非常にユニークで美しいため、とても人気のある観葉植物でもあります。

原産地は熱帯のジャングルで、樹高の高い別の木に気根[きこん]と呼ばれる太い根を巻き付けるようにして着生[ちゃくせい]していることが多いようです。

モンステラは巨大なツル性の植物であるため、原産地では高さ8m、葉の大きさは80cmを超えるものもあります。背丈が高く、葉の形も奇妙で大きいため、「Monster(モンスター)」を意味する「Monstrum(モンストルム)」が、名前の由来になったといわれています。

モンステラの性質・育成のコツ

一般的なモンステラ(デリシオーサやアダンソニー)は、簡単に育てられるという手軽さも人気の理由の一つです。暑さ、寒さ、乾燥にある程度の耐性があるため、初心者の方でも枯らしにくい植物といえます。

比較的に耐陰性もあるほうですが、暗めの場所では葉柄[ようへい](茎から葉の根本までの部分)が間延びしたり、だらんと垂れ下がったりして、見た目が悪くなることがあります。

窓辺の明るい場所、かつ、少し大きめの鉢で管理し、生育期には水と肥料を切らさないようにしましょう。モンステラは、生育に適した環境ではすぐに大きくなるため、とても育てがいのある観葉植物です。

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モンステラの植え方

育て方は品種によって若干異なりますが、葉に切れ込みが入るタイプの一般的なモンステラ(デリシオーサやアダンソニー)の植え方についてお伝えします。

モンステラを植える時期

モンステラの生育期は5月~9月頃であるため、植付けや植替えは4月~8月くらいが適期です。

モンステラに限らず、植付け・植替えは植物にダメージを伴うため、そのダメージが回復できる生育期その直前を目安に植えるのが良いです。

しかし、時期外れにどうしても植付け・植替えが必要な場合もあるかもしれません。その場合は寒い時期を避け、根鉢を崩さず、根を傷つけないように慎重に行うようにしてください。

植替えの頻度は成長に合わせて行う必要がありますが、最低でも2年に一度は植替えを行い、不要な根を整理して一回り大きな鉢に植え替えるのが良いでしょう。

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長い間植替えをしていないと、根が鉢の中でギチギチに詰まり、ひどい場合は鉢が割れてしまうこともありますので注意しましょう。

モンステラの鉢植え

モンステラは一般的に鉢植え(土植え)で育てられ、室内で管理されます。

モンステラを植える鉢

モンステラは環境が良いと成長が早く、比較的すぐに大きくなる植物です。根も大きく広がり、鉢の中いっぱいに根を張ります。

根詰まりを起こしてしまうと水や栄養をうまく吸収できなくなるため、速い成長に伴い、一回り大きな鉢が次々に必要になることを覚えておきましょう。

鉢の種類はどんなタイプでも問題ないため、大きな鉢が必要な場合はプラスチック鉢などの軽いものにしておくと、移動させる際に便利です。見た目が悪くなる場合は鉢カバーなどで補うと良いでしょう。

モンステラを植える培養土

モンステラは、一般的な観葉植物用の土で元気に育ってくれます。肥料を好むため、土にあらかじめ元肥[もとごえ](植物を植える前に土に混ぜ込む肥料)が入ったものを選ぶと良いでしょう。

配合した土を使う場合は、赤玉土(7):腐葉土(3)の配合がおすすめですが、室内で腐葉土を使用したくない場合は、pH調整ピートモスを腐葉土の代わりに使用することも可能です。※pHが調整されていないピートモスは、pHが結構低い(酸性が強い)ので使用しないでください。

また、配合した土を使用する場合は肥料が入っていませんので、『マグァンプK』などの元肥も忘れずに混ぜ込むようにしましょう。

モンステラの水栽培

モンステラも他の観葉植物と同様に、ハイドロカルチャーなどの水栽培で育てることができますが、先に注意点を確認してからにしましょう。

モンステラを水栽培する際の注意

モンステラの水栽培は、株のサイズが大きくなると管理が非常に難しくなります。

草丈の大きい植物には、植込資材を大量に使用することになったり、器から水を抜くタイプの場合は水やりのたびに手間がかかったりします。モンステラの場合、大きさは中型くらいまでが現実的でしょう。

また、水栽培によるモンステラの成長は、土栽培に比べると遅くなる傾向があります。早く大きなモンステラに育て上げたいという場合には不向きですので注意してください。

モンステラを水栽培する方法

植込資材は、ハイドロボールやジュエルポリマー、セラミスやサイフォンなど、どのようなタイプでも育てられます。しかし、商品によって使用方法や管理方法は異なるため、説明をよく読んでから使用してください。

器の中に水を貯めるタイプのものは、底に『ミリオンA』などの珪酸塩白土[けいさんえんはくど]を入れておくと根腐れ防止に繋がります。底が見えなくなる程度に薄く入れておくと良いでしょう。

水栽培を行う苗は、今まで土で育ってきた苗でも水栽培に切り替えることは可能です。しかし、切り替えた後は新しい環境に合った根を出すなど、植物の適応が必要になるため、調子を取り戻すまでに少し時間がかかる場合があります。

植替えた後のしばらくの期間は、あまり強い光の当たらない場所で管理し、株に負担がかからないようにすると良いでしょう。

モンステラの地植え

モンステラは温暖な地域であれば、屋外の地植えも不可能ではないかもしれません。しかし、基本的には5℃以上が必要になるため、九州・四国以南であっても、ちょっとした気温の変化に耐えられない可能性があります。

また、秋までに株の調子を整え、腐葉土や藁でマルチングを行い、透明のビニールで小さなビニールハウスをつくるなどの寒さ対策が必要になってきます。

ネットには東京や大阪でも地植えでの冬越しに成功した例があるため、不可能ではないようです。しかし、気温は毎年同じではないため、次の年も冬越しできるという保証は全くありません。モンステラの地植えは難易度が非常の高い植え方といえるでしょう。

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室内なら冬でもゆっくり成長し、新しい葉を展開する可能性も十分ありますので、特別な理由がない限りは屋内で育てたほうが良いと思います。…まぁ、庭のシンボルツリーが巨大なモンステラだったら…と思うと、すごく魅力的ですけどね。

モンステラ栽培の注意点

モンステラには、毒性のある成分が含まれていますので、注意してください。

サトイモ科の多くは毒性がある

モンステラも属しているサトイモ科の植物の多くは、シュウ酸カルシウムという物質を植物体内に蓄えています。

シュウ酸カルシウムとは、劇物に指定される毒性のある物質であり、とても細かい針状結晶で植物の細胞内に存在します。

顕微鏡で見てみると、まさに針のような結晶であるため、口や目に入ると針が刺さって激しい痛みを伴うことがあります。※嘔吐や下痢などの中毒症状が出ることもありますが、それも刺激によって生じると考えられているようです。

モンステラの取り扱いについて

モンステラの取り扱いにはそこまで神経質になる必要はありませんが、植物を口に入れる可能性のある小さなお子さんがいる家や、犬・猫などのペットがいる部屋には置かないのが無難です。

また、植物から出る液が皮膚に付くと、肌が弱い方はかぶれることがありますので、剪定する際は園芸用の手袋などをしておくと良いでしょう。

万が一、液が口や目に入った場合は、大量の水でこすらずに洗浄し、心配な場合は専門医に相談するようにしてください。

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モンステラがまだ大型になっていない場合は、手の届かない高い位置に鉢を移動させるのも良い対策だとは思いますが、大きくなってくるとバランスを崩して倒れる可能性もあるため、鉢を固定するなどの安全管理もしっかりと行ってください。

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