【モンステラの病害虫対策】葉が黄色く変色したときなどの対処法

観葉植物

モンステラは丈夫で枯れにくい植物ですが、害虫や病気の影響を全く受けないわけではありません。日頃から正しい管理と病害虫の防除を行うのが望ましいです。

しかし、それでもモンステラの調子が悪く、異常が見られる場合は、これからご紹介する症状と原因を疑ってみてください。

見た目から推測できる不調や病害虫の種類、原因や改善方法についてお伝えしていきます。

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モンステラの葉が黄色くなる(枯れる)

小さい葉だけが黄色くなっている場合は、葉が古くなっただけかもしれません。モンステラの葉は1株に3~6枚程度が普通であり、古すぎる葉は黄色くなって枯れていきます。

黄色くなった葉は元に戻らないため、葉柄の根元付近から切り落とすようにしましょう。

一方、古くない葉が黄色くなってきた場合は、次のような原因が考えられます。黄色い部分は枯れて茶色くなってくるため、できればそうなる前に対処しましょう。

根がうまく水を吸えていない

例えば水やりを忘れて、鉢土が乾いた状態が続いてしまうと、モンステラ内部に水分が足りなくなり、葉は縁のほうから徐々に黄色く変色して枯れていきます。

特に5月~9月の生育期は、根からよく水を吸い上げて生長するため、土の乾きが早くなっており、水分不足になりがちです。また、そこに夏の暑さも加わると、土の水分は蒸発しやすくなるため、十分な水やりが必要になりますので注意してください。

しかし、単に水切れと言っても、考えられる原因は水やりの怠慢だけではありません。根がうまく機能しなくなる根詰まり根腐れでも、水分が足りなくなってしまうことがあるのです。

特にモンステラは生長が早く、生育期にはあっという間に鉢いっぱいに根を張ります。鉢の中がギチギチに詰まる前に植替えを行うようにしてください。

また、土が十分に湿っているのに葉が黄色くなって枯れてきた場合は、根腐れを起こしている可能性があります。土が乾く前に水やりをしていると、土の中に空気がなくなり、根が呼吸できずに腐ってしまうのです。

そのため、すでに根腐れをしている可能性がある場合には、一度苗を鉢から出し、根を確認してみてください。真っ黒になってスカスカした感触の根は全て腐っています。

腐った根は軽く引っ張っただけで取れるため全て取り除き、新しい土で植え直してください。ひどい場合は根の大部分が腐っている場合もありますので、できるだけ早めに対処するのが望ましいです。

極度の過湿

モンステラは熱帯の植物ですので、暑さや湿度の高い場所には強いですが、真夏風通しの悪い場所過湿になると、立枯病[たちがれびょう]という糸状菌[しじょうきん](カビの一種)由来の病気になることがあるため注意が必要です。

立枯病になると葉が黄色くなって枯れていくため、黄色くなった部分は切除し、土は清潔なものに換え、風通しの良い場所に鉢を移動させるようにしましょう。

極度の寒さ

冬は最低でも5℃以上の気温が必要です。室内であれば問題ない場合も多いですが、温度が下がりやすい窓辺に置いていたり、屋外に置いていたりすると枯れる可能性があるため、できるだけ室内の暖かい場所で管理しましょう。

特に夜は冷え込むため、室内であっても、冷たい空気が溜まりやすい床や、窓から1m以内の場所は避け、冷気から遠ざけるようにしましょう。

夜の気温がどのくらいまで下がるのか分からない場合は、『最高最低温度計』が便利です。最高最低温度計は、リセットするまでの期間内で、最高気温、最低気温が保持できるため、就寝中や家にいない時間帯の最低気温が知りたい場合にも使用できます。

強い光による葉焼け

モンステラの葉が黄色いのは、強い光に当たりすぎて葉焼けを起こしている可能性もあります。ひどい場合には茶色や黒色に変色しますので、直射日光は避けるようにしてください。

特に、夏には日差しが強くなりますので、レースのカーテン越しに光を当てるのが良いでしょう。

ただし、夏以外の季節にも、暗い場所で育てていたモンステラを、いきなり明るい場所に移動させると、直射日光でなくても葉焼けを起こす場合があります。そのため、光が強めの場所に置くのであれば、1~2週間は少しずつ遮光を解いていき、光に慣れさせるようにしましょう。

特に「普段は暗いところで育てているから週に一度は強めの光に当てる」というような管理方法では、葉焼けのリスクを伴います。できるだけ、普段から明るい場所で管理できるような環境をつくるのが望ましいです。

他にも、葉に水滴が付いたまま強光線に当ててしまうと、部分的に葉焼けを起こすことがあります。普段は葉焼けを起こさないような光でも、水滴がレンズのように光を集めるため、水滴の部分だけが焼け、黄色や茶色の斑点がつくことがあるのです。

強めの光が当たる場所では、グッテーション(葉に水滴が出てくる現象)や葉水の水滴は拭き取るようにするか、優しい光が差し込むような場所に移すようにしてください。

モンステラの葉柄が間延びして垂れる

間延びは病気などによる被害ではなく、徒長[とちょう]と呼ばれるもので、モンステラを含む植物全般に起こる現象です。日照不足が主な原因であり、暗い場所で育てているとよく起こります。

植物は、光合成により栄養素を作り出して生きていく必要があるため、暗い場所では光を求めてヒョロヒョロと、茎や葉柄が間延びしてしまうのです。

徒長は見た目が悪くなるだけでなく、病害虫への耐性や、耐暑性・耐寒性が落ちてしまうため、明るい場所に移動させるようにしましょう。

特にモンステラは葉が大きいため、葉柄が間延びすると葉の重さで下に垂れ下がってきます。そうなると、茎が傾いて樹形が乱れたり、自立できなくなったりするため、早めに対処するようにしてください。

ただし、一度間延びした葉柄は、明るい場所に移動させても元に戻ることはありません。葉柄の根本付近から切って、仕立て直しても良いですが、葉の枚数が減るとさらに弱ってしまうため、もともと葉の枚数が少ない場合は、新しい元気な葉が出てくるまで待ったほうが良いでしょう。

MAKO

徒長は日照不足の他にも、水や肥料のやりすぎで起こると言われています。モンステラは耐陰性が比較的高く、水や肥料を好む植物なので多少は耐えることが出来ますが、供給する量は調子を見ながら変えていくのが良いと思います。

モンステラの葉に白い粉が付いている

葉に白い粉のようなものが付いている場合は、病気、または害虫が考えられます。

うどんこ病

葉に粉っぽくて白いシミのような斑点が出た場合は、うどんこ病にかかっている可能性があります。うどんこ病は、立枯病と同様に糸状菌によるもので、風などで運ばれきて葉に付着し、繁殖します。

特に、乾燥した初夏や秋頃の時期に発生しやすく、発症すると葉の表面をカビが覆ってしまいます。そうなると、光合成が妨げられ、株がどんどん弱ってしまうため、できるだけ早めの対処が必要です。

うどんこ病の対処法は、まずはこれ以上の被害がでないように、うどんこ病にかかった植物を別の場所に隔離するようにしましょう。また、枯れた落ち葉などがある場合はカビの温床となるため、取り除くようにしてください。

うどんこ病で白くなった葉には、『ベニカXファインスプレー』などの殺虫殺菌剤が効果的ですが、すでに葉一面にカビが広がっているものは効果が薄く、改善にも時間がかかってしまうため、諦めて早めに切り落としたほうが被害は少ないかもしれません。

うどんこ病は、風通しの良い場所で管理したり、定期的な葉水や薬剤散布で防除することができるため、日々の管理を怠らないようにしましょう。また、発症した場合は初期段階での対処が重要ですので、ときどき葉の様子をチェックするのが良いでしょう。

コナカイガラムシ

葉に白くて小さい粉のような塊がついている場合は、コナカイガラムシという害虫かもしれません。

様々な草花に発生するカイガラムシの仲間は、名前があるものだけでも400種以上が存在します。その中でも、白いロウのようなものをかぶったコナカイガラムシは代表的な種類で、観葉植物によく見られます。

コナカイガラムシは1cmほどになることもある昆虫ですが、幼虫は2mmほどで小さな粉のように見えます。葉や茎から汁を吸って成長するため、植物の健康や生長を阻害する恐れがあります。

また、カイガラムシの排泄物はペタペタするため、そこにホコリなどが付着し、光合成を妨げるすす病を引き起こすこともあります。

カイガラムシの対処法としては、濡れたティッシュで拭きとるか、歯ブラシで優しく擦り落とすのが良いでしょう。

ただし、葉の多い植物などはかなりの手間となるため、カイガラムシにも効く『ベニカXファインスプレー』などの薬剤散布が効果的です。

カイガラムシは、気温と湿度の高い場所や、ホコリっぽい場所で発生しやすいため、窓際などの風通しの良い涼しい場所での管理が、カイガラムシの防除に繋がります。

モンステラの葉に白や黄色の斑点ができる

モンステラの葉にまだらの斑点がある場合は、葉の裏などにハダニがついている可能性があります。

ハダニはダニの仲間で、0.3mm~0.5mmの非常に小さな虫ですが、色は主に褐色であるため、肉眼でも確認することができます。(ハダニはクモ綱[こう]に分類される生き物で糸も吐くため、クモの仲間と言われることも多いです。)

ハダニは主に葉の裏から植物の汁を吸い、吸われた葉は白や黄色の斑点模様が表に出ます。そのような葉は植物の観賞価値を下げてしまうだけでなく、植物の健康にも影響がでてしまうため、早めに対処するのが肝心です。

駆除はハダニをセロハンテープにくっつけて捕殺するか、濡れたティッシュで拭き取るのが効果的です。しかし、葉が非常に大きい場合や、葉の枚数が多い場合はかなりの手間になるため、ハダニにも対応した『ベニカXファインスプレー』などの薬剤を使用し、ハダニの駆除や防除を行うのが良いでしょう。

斑点が出てしまった葉は、ハダニを駆除しても元には戻りませんので、気になる場合は切ってしまっても良いです。しかし、葉の枚数が極端に少なくなると株は弱ってしまうため、その場合は新しい葉が出るまでは切らないほうが良いでしょう。

ハダニは高温で乾燥している場所や、風通しの悪い場所を好むため、こまめに葉水をしたり、鉢を風通しの良いところに置くことで防除することができます。

ハダニの被害がひどくなると、蜘蛛の巣のようなものが葉や茎に沢山ついてきます。更にひどくなると、ハダニは糸を吐いて風に乗り、別の植物に移動しながら繁殖していきますので、早めに対処するようにしてください。

まとめ

病害虫対策のスプレーとして『ベニカXファインスプレー』を例に挙げていますが、ベニカでなくても、様々な病害虫に対応した殺菌殺虫剤を一つ持っておくと心強いです。

対応している種類が多いと、何の病害虫なのか断定できない場合にも効果があったり、様々な植物に使えたり、定期的な散布で多くの病害虫を予防できたりするため、非常におすすめです。

ただ、モンステラは病害虫に強い植物でもあるため、病害虫よりも、日照不足、根詰まり、根腐れ、低温、過湿、乾燥のどれかの場合がほとんどだと思います。

モンステラの元気がない場合は、まずは育てている環境を見直してみるのが良いでしょう。

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